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デジタル時代の彫刻:3Dモデリング

2023.07.10 彫刻の基礎知識
デジタル時代の彫刻:3Dモデリング

現代彫刻ではデジタル技術が進化し、3Dモデリングという新たな彫刻の形が生まれています。

3Dモデリング

3Dモデリングは、デジタル空間で物体を作り出す技術です。これは彫刻と非常に似ており、デジタルツールを使用して形状を作り出し、詳細を加え、最終的な形状を作り出します。

3Dモデリングの手順

  1. スケッチ まずは2Dでアイデアをスケッチします。これが3Dモデルの基礎となります。

  2. ソフトウェアやツールを選ぶ 3Dモデリングのソフトウェアやツールは、さまざまな種類があります。その中から自分の目的やレベルに合ったものを選ぶことが重要です。

  3. 基本形状の作成: スケッチを元に3Dモデリングソフトウェアで基本的な形状から作り始めていきます。これは、彫刻のブロックや粘土の塊と同じように、作品の基礎となります。この段階では、大まかな形状とサイズを決定します。

  4. 詳細の追加 基本形状ができたら、次に詳細を追加します。彫刻ツールを使用して細かい形状などを作り出します。

  5. テクスチャリング モデルに色や質感を加えます。これによりモデルはリアルに見えるようになります。

  6. リファイン 作品をリファインします。これには、不要な部分を削除したり、形状を滑らかにしたり、詳細を調整したりします。このステップでは、作品全体を見直し、最終的な調整を行います。

3Dモデリングを作成する方法

  • プリミティブ 基本的な形(球や立方体など)から始めて、移動や回転、拡大縮小、結合や切り取りなどの操作でオブジェクトを作成する方法です Tinkercadなどがこの方法に該当します。

  • ポリゴン 三角形や四角形などの面(ポリゴン)を組み合わせてオブジェクトを作成する方法です。面の数や位置を自由に変更できるため、細かいディテールを表現できます。Vectaryなどがこの方法に該当します。

  • スカルプト 粘土細工のようにオブジェクトをこねたり削ったりして形を作る方法です。ブラシやスタンプなどのツールでオブジェクトの表面を変形させたり、細かいディテールを付けたりします。自然な曲線や凹凸を表現できるため、キャラクターや動物などの造形に向いています。MeshmixerやZBrushなどがこの方法に該当します。

  • パラメトリック 数式やパラメータ(変数)でオブジェクトの形やサイズを定義する方法です。パラメータを変更することでオブジェクトの形状を自在に変えることができます。FreeCADやFusion 360などがこの方法に該当します。

主な3Dモデリングのソフトウェア

Tinkercad

初心者向けのシンプルな3Dモデリングソフトウェアです。ブラウザ上で動作し、基本的な形や文字を組み合わせてオブジェクトを作成できます。3Dプリントにも対応しています。

Vectary

オンラインで使える高機能な3Dモデリングソフトウェアです。豊富なテンプレートや素材が用意されており、ドラッグアンドドロップで簡単にオブジェクトを編集できます。VRやARにも対応しています。

Meshmixer

3Dスカルプト(彫刻)機能に優れたソフトウェアです。既存の3Dモデルを自由に変形したり、複数のモデルを組み合わせたりできます。3Dプリントにも対応しています。

FreeCAD

オープンソースの3D CADソフトウェアです。パラメトリックモデリングという手法で、オブジェクトの履歴やパラメータを変更できます。機械工学や建築などに適しています。

Fusion 360

製品開発のための統合型3D設計、エンジニアリング、およびエンターテイメントソフトウェアです。このツールは、製品設計と製造を一つのプラットフォームに統合し、製品のライフサイクル全体を通じてチームのコラボレーションを可能にします。Fusion 360は、クラウドベースのプラットフォームであり、ユーザーはどこからでもアクセスして作業を行うことができます。個人や教育機関などは無料で利用できます。

Blender

Blenderは、3Dモデリング、アニメーション、レンダリングなどの幅広い機能を提供する無料のオープンソースの3D作成スイートです。Blenderは、モデルの作成、変形、編集を容易にする包括的なモデリングツールを提供します。また、高度な彫刻ツールとブラシ、マルチレゾリューションとダイナミックな細分化、テクスチャブラシとマスキングでの3Dペイント、カスタムツールとアドオンのためのPythonスクリプトなども提供しています。

ZBrush

ZBrushは、デジタル彫刻とペイントの業界標準で、形状、テクスチャ、仮想粘土のリアルタイム環境でのペイントなど、さまざまな機能を提供します。ZBrushは、映画スタジオ、ゲーム開発者、玩具/コレクタブルメーカー、ジュエリーデザイナー、自動車/航空デザイナー、イラストレーター、広告主、科学者、その他のアーティストなど、世界中のアーティストに使用されています。

Maya

Mayaは、キャラクター作成、リギング、アニメーション、シミュレーションなどの強力なツールを備えた3Dビジュアルエフェクトソフトウェアです。Autodeskの製品であり、公式のAutodeskストアまたはリセラーから購入することができます。Mayaは、さまざまな業界の専門家によって、幅広い3Dビジュアルエフェクトの作成に使用されています。

初心者であれば操作が簡単で直感的なものを選ぶと良いでしょう。また、作りたいものの形や素材によっても適したものが異なります。建築物や機械部品などはCAD系のソフトウェアが向いていますが、キャラクターや動物などはスカルプト系のソフトウェアが向いています。

3Dモデリングの注意点

慎重に計画を立てる

3Dモデリングは時間と労力を必要とする作業なので、始める前にしっかりと計画を立てることが重要です。何を作りたいのか、どのような形状や詳細が必要なのかを明確にしておくと、作業がスムーズに進みます。

基本から始める

複雑な形状や詳細を作り出す前に、まずは基本的な形状や技術から始めることが重要です。基本的なスキルを身につけることで、より複雑な作品を作り出す能力が身につきます。

ツールを理解する

使用している3Dモデリングソフトウェアの各ツールが何をするのかを理解することが重要です。これにより、どのツールをいつ使用するべきかを理解し、効率的に作業を進めることができます。

練習を重ねる

3Dモデリングは、練習を重ねることで上達します。新しい技術を学んだら、それを練習し、自分のスキルを磨くことが重要です。

忍耐力を持つ

3Dモデリングは、時間と労力を必要とする作業です。一度に完璧な作品を作り出すことは難しいかもしれませんが、忍耐力を持ち続け、少しずつ改善していくことが重要です。

3Dモデリングのメリットとデメリット

デジタルで立体を作ることには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 修正が容易 物理的な彫刻と違い、デジタルならば間違えても元に戻すことが容易です。

  • 複製が簡単 一度作ったモデルは、何度でも複製することができます。

  • 物理的な制約がない 重力や材料の強度など、物理的な制約を気にする必要がありません。

デメリット

  • 学習コスト 3Dモデリングソフトウェアは複雑で、使いこなすには学習が必要です。

  • リアルな質感の再現が難しい 木材や大理石など、特定の材料の質感を再現するのは難しい場合があります。


3Dモデリングは、デジタル空間で立体物を作り出す技術で、彫刻と非常に似ています。これは、デジタルツールを使用して形状を作り出し、詳細を加え、最終的な形状を作り出します。

3Dモデリングには、多くの異なるソフトウェアとツールがあります。これらの中には、無料で使用できるものもあります。

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