絵画 Paint
絵画は絵の具を油で溶いて着彩する油彩画、絵の具を水で溶いて着彩する水彩画、墨汁で描く水墨画、顔料をにかわで溶いて着彩する日本画など、様々な手法があります。自分の制作スタイルに合わせて画材を選びましょう。
- 油彩画
- 水彩画
油彩画の種類
一言で油彩画といってもその種類(ジャンル)は表現によって幅広く、その表現によって魅せ方も違ってきます。
自分にあった表現を見つけるためにはより多くの表現を鑑賞すると良いでしょう。
ここではいくつかの代表的な表現の種類と基本的な道具を紹介します。
具象的な表現
- ルネッサンス絵画 ミケランジェロ/ダ・ヴィンチ/ラファエロ
- バロック・ロココ絵画 フェルメール/レンブラント
- 新古典主義美術・ロマン主義 アングル/ドラクロワ/ゴヤ
- 写実主義 ドーミエ/ミレー/ワイエス
- 印象派・新印象派 マネ/モネ/ゴッホ/スーラ
- ナビ派 ボナール/ヴィヤール
- 象徴主義・表現主義 クリムト/シーレ/ムンク
- エコールド・パリ ユトリロ/モディリアニ
- アール・ヌーヴォー ミュシャ/ロートレック/ヴルーベリ
- フォーヴィスム マティス/モディリアニ
- シュルレアリスム ダリ/シャガール/マグリット
抽象的な表現
- キュビスム ピカソ/ブラック/レジェ
- 抽象表現主義 クレー/ポロック/ロスコ/ディビュッフェ
- ポップ・アート ウォホール/リキテンシュタイン
- 新表現主義 キーファー/バスキア
油彩画の道具
油絵の具
油絵の具は、顔料と乾性油などから作られる絵具で、絵具の伸びがよく艶があり乾燥後絵具の艶引けがないのが特徴です。
筆
油彩画の筆はさまざまな形があります。
作品の性質や自分の表現に適した筆を使いましょう。
油彩画の場合は筆以外にもペインティングナイフ、布など表現に応じてさまざまな道具を使います。
筆の毛の種類
豚、馬、牛、狸、羊、いたち、コリンスキー、りす、ナイロンなど
- 馬毛
- 胴毛や足毛が良く使われ、毛質はマングースより柔らか
- 豚毛
- 油絵独特の粘りに負けない弾力、耐久性があり、一本の毛の先端が2,3本に枝分かれしている
- セーブル
- 軟毛の代表的な毛。値段は少々高めだが、毛の形状が綺麗な流線型で、穂先のまとまりがあり、弾力もある。絵の具の含みも良い。
- リス毛
- セーブルほどの弾力はないが、毛が柔らかく細いので、絵の具の含みが良く、水彩に良く使われる。
- 狸毛
- 毛の根本が細く、先が太い形なので、穂先に向かってふっくらした形。絵の具の含みが良い軟毛。
オイル
油絵の具は文字通り絵の具を油で溶いて使用します。
そこで用いられるオイルにも多種多様な種類があります。
- リンシード オイル植物性溶き油
- ぺトロール揮発性溶き油
- ポピー オイル植物性溶き油
- テレピン揮発性溶き油
- ペインティングオイル調合溶き油
- メディウムその他の溶き油
油壺
溶油を入れて使う容器です。ソロバン玉型のものと円筒形のものがあります。 これは、小さなガラス瓶などでも代用できます。
パレット
油絵具を並べたり混ぜたりする道具です。丸形や四角形のものがあります。通常、セットには二つ折りのものがはいっています。
紙でできた使い捨てのペーパーパレットも便利です。
筆洗
油絵具の着いた筆を洗うのに使います。汚れた筆を直接突っ込んで洗うのではなく、ぼろ布や紙で筆の油絵具十分拭ってから洗うと長持ちします。 また、質の悪い石油を使うのは、筆にも画面にも良いこととはいえません。
BRUSH CLEANER
キャンバス
キャンバスは油絵を描くための専用の支持体です。ふつうは、木枠に張った麻布に白色塗料が塗られていて、そのまま油絵具が塗れるようになっています。
大きさは、6~10号ぐらいが使いやすい手頃さでしょう。安価品に紙を特殊加工した「キャンバスボード」もあります。
キャンバスの号数規格(cm)
号数 | F | P | M | S |
---|---|---|---|---|
0 | 18.0 |
|||
1 | 22.0 |
22.0 |
22.0 |
22.0 |
SM | 22.7 |
|||
2 | 24.0 |
24.0 |
24.0 |
24.0 |
3 | 27.3 |
27.3 |
27.3 |
27.3 |
4 | 33.3 |
33.3 |
33.3 |
33.3 |
6 | 41.0 |
41.0 |
41.0 |
41.0 |
8 | 45.5 |
45.5 |
45.5 |
45.5 |
10 | 53.0 |
53.0 |
53.0 |
53.0 |
12 | 60.6 |
60.6 |
60.6 |
60.6 |
15 | 65.2 |
65.2 |
65.2 |
65.2 |
20 | 72.7 |
72.7 |
72.7 |
72.7 |
25 | 80.3 |
80.3 |
80.3 |
80.3 |
30 | 91.0 |
91.0 |
91.0 |
91.0 |
40 | 100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
50 | 116.7 |
116.7 |
116.7 |
116.7 |
60 | 130.3 |
130.3 |
130.3 |
130.3 |
80 | 145.5 |
145.5 |
145.5 |
145.5 |
100 | 162.0 |
162.0 |
162.0 |
162.0 |
120 | 194.0 |
194.0 |
194.0 |
194.0 |
130 | 194.0 |
|||
150 | 227.3 |
227.3 |
227.3 |
227.3 |
200 | 259.0 |
259.0 |
259.0 |
259.0 |
300 | 291.0 |
291.0 |
291.0 |
291.0 |
500 | 333.3 |
333.3 |
333.3 |
333.3 |
水彩画の種類
水彩画で使う絵の具には透明なものと不透明なものとがあります。
透明水彩は、重ねて塗ることで、下地の色と響きあって美しい深みのある色調を生み出すことができ、透明感のある作品の制作に適しています。
透明水彩絵具には固形のものとチューブのものがあります。携帯には固形が便利ですが、より使いやすいチューブをお勧めします。各色単品で購入することもできますが、
最初は12~36色程度のセットがよいでしょう。
不透明水彩は、透明水彩に比べ、顔料(色の粒)が粗いため下地に塗った色が隠され、油絵のようにコントラストの強い鮮やかな作品の制作に適しています。
絵の具は、顔料からできています。顔料には土や岩石からできている顔料と植物からできている顔料があり、洋画に使う顔料は、岩石から成る顔料がほとんどで、
日本画に使う顔料は岩石と植物の2種類あります。
顔料だけでは紙の上にのらず、水分が乾くとぱらぱらと紙から落ちてしまいます。顔料と何かを混ぜないとすぐに使えません。たとえば油絵の具なら、
顔料の粒と紙やキャンバスを接着させているのは油(オイル)です。
どこへでも簡単に持ち運びできるチューブという便利なものができたのは産業革命の後、ちょうど印象派の画家たちが出現した頃で、
それまでは、それぞれの画家が顔料と油を自分で調合して使っていました。
水彩絵の具
水に溶けやすく、水の量を調節することで折り紙を重ねたようなマットな厚塗りから セロファンを重ねたような透明感ある作品を表現でき、技術的にも使いやすいというメリットがあります。
その反面、せっかくの作品も水がつくとにじんでしまう、プラスチックなどつるつるした素材には塗れない、 粘土や木材には染み込んでしまうといったデメリットもあるといえるでしょう。
ポスターカラー
透明水彩絵の具と同質の顔料を用いた不透明水彩絵の具で、混色しても彩度が落ちず、 鮮やかなあらゆる色相の色が作ることができます。
透明と不透明の違いはありますが、混色して鮮明な発色の得られることが水彩絵の具の特徴です。
顔料をより細かい粒子にしたのがポスターカラーで粒子が細かい分、不透明性が増し塗ると表面が均一になります。
ガッシュ
顔料粒子を大きくし光の乱反射を起こさせる事で鮮やかな発色の得られる不透明絵の具です。
市販の「ポスターカラー」は、染料を染め付けたレーキ顔料を使い、各色の鮮やかさを出せますが、耐性等は考慮されていません。
アクリル
ポスターカラーのようにマットな絵が描ける水彩絵の具の特性を持ちながら、 水をはじくプラスチックや石、牛乳パックなどにも描くことができる絵の具で、乾燥すると水に濡れても流れにくい性質があり、 重ね塗りしたとき下の色が水に溶けたりして上に塗った絵の具が濁ることがなく、鮮やかな発色を保つことができます。
ただ、一般的な水彩絵の具と違い、乾燥が速く、一度乾いてしまうとパレットについた絵の具が水で洗い流せなくなったり、 筆が固まったりすることがあるため取り扱いには注意が必要でしょう。
水彩画の道具
筆
水彩用の筆は、平筆、丸筆とがあります。
これらの筆はそれぞれ太さ、毛の硬さなどの種類は豊富で、自分の表現にあった筆を選ぶことが重要といえるでしょう。
平筆
丸筆
パレット
安価な使い捨てのペーパーパレット、プラスチック製や軽量のアルミ製、本格的な漆塗りのもの、
固形水彩のセットにはケースと一体になったものがあります。大量の絵具を溶く時には大きめの溶き皿を使います。
パレット
筆洗
絵具を溶いたり筆を洗う水入れです。できれば大きいものの方が水の濁りも遅いのでよいでしょう。
筆洗