no category2010.01.21

サヨナライツカ

『サヨナライツカ』
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
(小説の一部より)
『サヨナライツカ』は1月23日(土)公開の映画。

作家辻仁成さんの小説を映画化したラブ・ストーリーで、25年間にわたり、想いを募らせる男女の情熱的な愛が描かれています。
そして、主人公・沓子を熱演するのは、辻さんの奥様でもある中山美穂さん。
12年ぶりのスクリーン復帰ということでも注目を集めています。
この映画の原作を、私は今から5年前に友人から薦められ読んだことがあり、クライマックス電車の中で一人号泣したのを思い出しました。
きっと愛なんて良く分かっていなかっただろう当時の私でも、何となく分かったような気になって感情移入していたのです。
冒頭のフレーズを何度も自問自答した当時が懐かしい。
今この映画を見るとどう感じるのだろう。
あれから5年の月日を重ね、少しは愛の意味を理解できるようになっているのかな。
今でもきっと愛のほんの一部しか分かっていないのだろうけど、当時よりは愛の重みを理解できる自分でいたいものです。
愛ってなんだろう。
愛について考えさせられる映画だと思います。
あなたは死ぬとき
愛されたことを思い出しますか?
それとも愛したことを思い出しますか?

2010 01